ソーシャルスペース
地域の出会い場づくり「KYOTO LAUNDRY CAFE」西院ソーシャルスペース

「洗ってキレイ。食べてキレイ。ぐるぐる回る、人と人とのつながり。」 京都市中京区の阪急西院駅から最寄り5分。「住み良いまち」として「西院エリア」では、若い子育て世代のファミリーが増えつつ裏路地では昔ならではの風情も残っています。今おもしろい多目的カフェがあると聞きました。 マンション暮らしや戸建てファミリー、単身赴任や学生マンションなど、いろんなカタチで新旧世代の混在するこの地域に、ひときわ異彩を放ち、「KYOTO LAUNDRY CAFE」は存在します。コインランドリーがなぜソーシャルスペースなのでしょうか? コインランドリーといえば、賃貸住まいの独身層が利用するイメージの方も多いかと思いますが、近年コインランドリーを取り巻く環境が、利用者層や需要とともに変化しています。このコインランドリーも多様なお客様を抱えながら、周囲の中で、ご近所の「生活基盤の施設」の役割を果たしているといいます。 洗濯の概念が変わる 最新のコインランドリーは、全自動洗濯乾燥マシンなどを搭載しているので、家庭では洗えない羽毛布団などの大物洗いや、梅雨時期のカビ対策のためのガス乾燥機が便利だと評判です。また、「洗濯」の家事時間を短縮したり、待ち時間を有効に活用するなど、女性に限らず、高齢者の方々からも支持されています。特に高齢者の方は、自分で物干しまで階段を登って、洗濯物を乾かすという作業が、危なかったりと大変ですが、コインランドリーなら、洗濯の洗いから乾燥までワンステップで終わりなので、とても便利みたいです。 そんな、いろんな客層の方々が普段使いできるコインランドリーですが、ランドリーマシンの魅力のみならず、地域コミュニティの活性化の目的で、「イベントカフェ要素」を含みながら、カフェ運営していると聞きました。「西院わくわくプレイス」として、どのような点で、地域の「サードプレイス的」役割を担っているのでしょうか。 ソーシャルランドリースペース「KYOTO LAUNDRY CAFE」 西院の嵐電の線路沿いに佇む小さな店『KYOTO LAUNDRY CAFE』は、コインランドリーの合間にランチやカフェが楽しめる地元住民らの憩いの場所です。 ご近所の方も、社会人や学生さんも、年齢や国籍の垣根を超えて、みんな顔見知りになれるコインランドリー。誰もが利用する「ランドリーマシン」を仕掛けにした「空間づくり」は、コミュニティづくりの何に役立っているのでしょうか。実際に訪れて店長の山本さんにインタビューしてみました。 飲食店という概念を超えた「洗濯屋珈琲店」の挑戦 併設のランドリー空間が生活施設なので、気張らず、おしゃれカフェとは一線を画すという「KYOTO LAUNDRY CAFE」。家事を済ませながら、ほっと一息つける心地よい場所。洗濯屋珈琲店の姐さん「Rieさん」と呼ばれている店長は、「ランドリー空間は、とてもドラマティックなストーリーに満ちていますよ」と語ります。 続いて「2019年3月の開業以来、お洗濯物を片手に「一期一会」を楽しみ、人と人をつなぐ「ランドリーマルシェ」生涯教育としての「英会話カフェ」など、地域向けのイベントを次々と企画し、「小さな日常に楽しみ」をプラスしてきたと語るRieさん。具体的に、どんな用途でソーシャルスペースを運営されてきたのでしょうか? いろんなイベントでつなぐ「地域のサードプレイス」の可能性 KYOTO LAUNDRY CAFEはオープン以来、レストラン・カフェの概念を超え、いろんな取り組みを行ってきました。ご近所のママ友の集まりや地域の町内会にも利用されるなど、利用者の約8割はご近所さんです。 親子のベビーヨガのレッスンや英語・中国語・韓国語などの語学教室、毎週日曜日に開催される英会話の国際交流イベント「Meet Up Party」も定例プログラムとして人気です。シーズン別に合わせた「ハロウィンパーティー」や「クリスマス会」も毎年、キッズやご近所さんが、自然に一緒に楽しめるようなイベントとして地域に溶け込んできています。インタビュー時はクリスマスが近い時期。店頭に大きなツリーが飾られていましたが、よく見ると、「みんなで飾るツリー」と書いてあります。「うちのツリーは、通りがけの人や子供たち、犬の散歩の方や、介護施設の高齢者の方、カップルなど、いろんな人が飾つけて出来上がるんですよ。」とRieさんの一年の楽しみでもあり、近所の小さなクリスマススポットにもなっているみたいです。 単独で人気だったイベントでは、社会人たちの映画上映会「自主映画カフェ」や、音楽に酔って踊る「サルサダンスパーティ」台湾のナイトマーケットをイメージした国際交流型イベントで、外国フードとフリマと音楽の要素を混ぜた「夜市」。ご近所の方が出店し合うフリマやワークショップ体験ができる「ランドリーマルシェ」など。最近では、土曜講座的なお話会「まちづくり座談会」「みんなのSDGs」など、カラフルな50以上のイベントを企画・運営しています。 「地域づくり目指している感」その恥ずかしさを乗り越えて 「コインランドリーでなぜ!?」という意外性こそ楽しいとRieさんは話します。「みなさんの普通の日常の中で、それぞれの生活を過ごしていて、特段「意識高いコト」を抜きに、誰もが気軽に参加してみたいなと思えるイベントカフェでありたい。」 とくに西院エリアは、京都の中でも、「コインランドリーで、100円でも安く洗濯を済ませたい人が多い」といっても過言ではない、庶民的なエリアだといいます。「文化の香る、京都の左京エリアや北区のような、コミュニティ定着へ理解のあるエリアとは違って、西は西のやり方で「つながる」を目指さないといけない。」と話す姿が印象的でした。 キーワードを<なんか楽しそう>に置くと、アイデアがゆるい連携を生み出して、イベントをサポートしてくれる人が現れていく。ランドリーカフェのイベント時のスタッフは、常連さんということもよくあるそうです。 コミュニティレストラン「シェアキッチン」の挑戦 最近、京都ランドリーカフェで新たにスタートした「シェアキッチン」の取組みが、すごく新しくて楽しい!と評判です。 コロナ禍を経て、「密じゃない関わり」へと方向転換した社会情勢を背景に、「KYOTO LAUNDRY CAFE」は存在の見直しを迫られていました。対面の交流を避けなければならない、社会の流れが、店舗という「ハコ」を孤立させました。 常連の方も、次第に来店する回数が減り、目に見えて、お客さまが減っていく…。「場所が泣いている」と毎日嘆いたそう。いろんな補助金へもチャレンジし、そこで、さらにパワーアップかつ、コミュニティレストランの方向性を開花させることのできる一つの可能性に気づきます。「まちのキッチンの可能性」に目を向けた、「みんなのシェアキッチン」の手法です。 「シェアキッチン」は化学反応が期待できるまちづくりの次世代プラットフォームになれる。 KYOTO LAUNDRY CAFE Rie店長 このシェアキッチンは、誰でも街の人が気軽に1日カフェオーナーになれるシステムで、個性いっぱいのメニューで楽しいお店づくりができるというもの。時間制オーナー制度で、一回ごとのスポットでのチャレンジが可能です。ポップアップショップのように、期間限定の食堂をオープンする人がいたり、毎週の曜日を決めて、ランチ層の定着を図りながら<コミュニティづくり>の醍醐味に挑戦するオーナーさんが集まります。みんな「キッチン」を介して、「食」でつながるコミュニティレストランを実践しています。 いろんな背景を持つオーナーさんたちの「シェアキッチン」 新しい取り組み「シェアキッチン」は、コミュニティ型をベースに考えています、。『誰もが気軽に1日カフェオーナーになれる』を謳い文句に「みんなのシェアキッチン」として、いろんな彩りをカフェにもたらしてます。 今までの入店オーナーの例では、SDGsな生き方を目指し、将来的にお弁当配膳を福祉施設に立ち上げたい、和食オーナー「千のや」さん。不登校の子たちが集まる、いばしょかふぇの活動をきっかけに出会った大学生オーナーさん。環境保全を重要視し、安全・安心の食を届けるビーガン料理を手がけた、同級生たちの菜食レストラン。難病を患いながらも、無添加の食生活の素晴らしさを訴えるために「お惣菜屋」を立ち上げた「たまのごはん」。独自のメニューで、「キラッと光る想い」を、それぞれが提供している<シェアキッチン>には、無限の可能性があり、キッチンを通じて、様々な社会の課題と向き合っていて、それがすごく面白いです。 今後は、多様なルーツ・コミュニティの方々のカフェ営業や健康につながるこだわり食堂、食品ロス問題を扱うシェフ活動、地元の料理人ママキッチンなどの入店も叶えば ランドリーカフェ店長 RIEさん まちの問題や社会のコトを気軽に話し合うトークカフェの色を! カフェならではのアーティスト個展やランドリーマルシェなどの手作りワークショップに留まらす、「まちづくり」「SDGs」「ジェンダーレス」「哲学カフェ」など、一歩踏み込んだトークができるイベントカフェの姿を目指しているみたいです。近所にある身近な土曜講座的な #学べるランドリー として、多様なワークショップを開催予定です。いつでも学生インターンやまちづくり人材を募集しているので、一緒に企画するのも楽しいかも! 目指すのは「地域の出会いのプロデュース業」 […]

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